免疫細胞を構成する大切な栄養素は、タンパク質から作られます。
タンパク質が不足すると、免疫細胞の材料が不足するため、免疫力が低下しやすく風邪等をひきやすくなります。
また、新型コロナウイルスの感染予防としてワクチン以外にも科学的根拠と効果が示されている栄養素がありますが、その大前提にタンパク質が必要であることが多くの医師から示されています。
新型コロナウイルスも流行していますので、たんぱく質をしっかり摂取し、免疫力を高めましょう。

全ての栄養素の大前提としてタンパク質

皮膚、髪、筋肉、骨、粘膜、臓器など、私たちの体を構成する細胞は、タンパク質から作られています。すべての栄養素の土台となるものがタンパク質なんです。
どの栄養素が一番大事というものは勿論ありません。 でも「 痩せない」「サプリメントを飲んでるのに効果がでない!」という人はタンパク質不足が大いに関係しているかもしれません。
私たちの体で、タンパク質がどんな働きをしているのか、もう少し掘り下げてみましょう。

タンパク質が消化を助ける

食べた物を消化する消化液はタンパク質から作られています。
つまりタンパク質が不足している人は消化が困難で食が細く、食べても消化吸収に問題があります。
だから、タンパク質不足が続いていくという悪循環が起こります。

まずは食事からが基本。
卵なら1日2~5個。私は1日最低2個は食べています。
卵はプロテインスコア100で、ビタミンCと食物繊維以外を全て含むほぼ完全な栄養食品。高コレステロールの人は「卵は1日1個まで」と言われていましたが、これは現在では古い考え方です。
卵を1日5個食べてもコレステロールに問題は起こりません。
せっかくの安価なタンパク源を1日1個に限定するのは勿体ないですよね。1日2個以上、肉が少ない人は5個くらい食べてタンパク量を確保したいです(ただし、卵にアレルギーがない前提)

とはいえ、食事で全て賄うのは難しいのが現状です。
血液検査を受けたことがある方は「TP総蛋白」の項目を見てください。 エネルギッシュに若々しくいるためにはTPは7.5以上欲しい値です。
ですが、殆どの人が7.5を下回っています。 そういう方は、卵、肉、魚、乳製品をしっかり摂りつつ、足りない分を純粋なタンパク質の粉であるプロテインで補うと良いです。

ダイエット

ダイエットの基本は糖質制限ですが、タンパク質が足りていない人ほど、うまくいきません。
糖質制限を行うと体が糖質不足になり、十分なエネルギーを作ることが出来なくなります。体はエネルギー不足を補うために、タンパク質や資質を分解してエネルギーにします。
タンパク質が分解される=筋肉が分解されるということなのです。
筋肉が減少すれば、基礎代謝も下がってしまうため、代謝の悪い体になり、ダイエットは上手く行きません。
糖質制限する前に、意識的にタンパク質を摂取してみてください。TP7.5以上を確保してからだと糖質制限が楽にできるようになります!

貧血・うつ 症状

通常ミネラルは体内でイオンの状態になっています。
しかし「鉄」だけは例外で、イオンの状態だと不安定で遺伝子や細胞組織にダメージを与えてしまいます。このため、鉄はタンパク質と結合して存在しています。
いくつかの形態がありますが、その1つがヘモグロビン。
貧血の人が鉄剤だけを摂って鉄の値だけが上がっていくのは駄目な上げ方。いわゆる過剰症と勘違いされているものの一つにこういうものがあります。
貧血の人は鉄とタンパク質をセットで摂取してください。貧血改善が安全で確実になります。
補足になりますが、貧血の方はかならずフェリチンという値を確認してください。
フェリチンも鉄とタンパクと結合した形態。フェリチン最初の目標値は85。ゴール(完治)は100、かつTP7.5以上が目安です。
フェリチンが上がる前に、ヘモグロビンが先に上昇するので、貧血が改善されたと勘違いされやすいですが、本当に治っているかはフェリチンの値からでしか判断できません。

高コレステロール

コンドロイチンの生成には、タンパク質が必要です。コンドロイチンには中性脂肪を分解する、血管壁の弾力を高める、血管壁にカルシウムやコレステロールが沈着するのを防ぐ作用があります。
コンドロイチンを飲むのも良いが、先ずはタンパク質を摂ってTP7.5以上を目指す。そのうえで、中性脂肪を下げ、善玉コレステロールHDLを上げ、悪玉コレステロールLDLを下げる唯一の栄養素ビタミンB-3(ナイアシン)を摂る。高脂血症薬が不要になります。

摂りすぎは良くない?

良く聞かれるのが「プロテインを摂ると腎臓に負担がかかると聞いたことがあり心配です」という質問です。
答えはノー。
腎臓に負担がかかるほどの摂取となると、ストイックなボディービルダーが体重1kgあたりの摂取量を遥かに超えて、長期間摂った場合に起こり得る、というものです。
ですから、一般の人が到底飲める量ではありません。
卵、肉、魚、乳製品をしっかりとるのが基本ですが、難しい場合にプロテインを補完的に飲みます。

飲み方

1日 タンパク質 正味20g(どこのメーカーもおおよそ添付スプーン1杯でタンパク質が20g摂れる)を朝夕摂取。


消化吸収に問題がある人は、消化酵素を追加してください。
おならが以前より臭くなる場合は、腸内で未消化物の腐敗発酵が起こっている証拠です。消化酵素とプロバイオティクスを追加して、腸内環境を整えると良いでしょう。